アンダー100gシリーズの11号機はタイガーモスです。前作は双発に挑戦しましたので今回は複葉機です。僕の好きなデハビラントの機体が続きます。 果たして複葉機でアンダー100gが達成できるでしょうか? |
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スペック 翼幅 59cm 全長 48cm 飛行重量 99.5g モーター ムサシノ模型 1811 KV3800 バッテリー Lipo 1セル 300mAh プロペラ GWS EP4025改 サーボ EMAX ES9251 操縦 エルロン、エレベータ、ラダー ラダーは重量によっては省略します。 アンダー100gを実現するためにバッテリーを1セルに変更しました。 |
![]() 完成写真です。 |
![]() 正面から見て、ほぼ歪みがありませんね。 |
飛行記録 |
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2025年9月13日 初飛行しましたが失敗に終わりました。天気は曇り、風は微風。 滑走路の草が長いので手投げを行いました。アンダースローで押し出せば素直に飛んでいく・・・と思ったのですが、強い左旋回癖があります。エルロンで修正しようとしましたがほとんど効きません。重心は良さそうです。パワーは水平飛行であれば問題ありません。ほとんど操縦らしいことが出来ないまま、ほぼ墜落で終了でした。 ビデオにはありませんが、2回目の飛行はノーコン状態で頭を下げて墜落しました。被害は翼のストラットの接着が剥がれたことと、機首のカウルが少し陥没しただけでした。 今回の原因を考えると、バッテリーが1セルのためモーターを回すと電圧降下により受信機が機能しなくなるためではないかと思われます。家に帰ってから調べたところ、モーターを回さなくてバッテリー電圧3.8V、モーターを回すと3.0Vに低下します。その時エルロンを動かすと振り切ったまま止まることがありました。モーターは回転を続けています。明らかに電圧低下により動作が停止しています。モーターの電流を測ってみたところ、2.5Aしか流れていません。わずか8C程度でこれほど電圧降下するのはハイレート放電向きのバッテリーではないのかもしれません。(ちなみに最近ラジコン用の小さなバッテリーが打ってない売ってない) 対策はやはりバッテリーを2セルに戻すしかないようです。重量オーバーをどうやって対応するか?また悩まなくてはいけません。 初飛行のYouTubeです。 https://www.youtube.com/watch?v=xuK-LGG7CwY |
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製作記 |
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![]() レーザーカットしたバルサシートです。厚みは1mm、1.5mm、2mm、3mm及びシナベニヤ1.2mmです。 |
![]() ほかに2mmのヒノキ棒を使いますが、バルサに合わせて1.5mmまで削ります。 |
![]() 胴体側板から組み立てます。後ろは定番のヒノキ棒のトラス構造ですが、曲がらないように定規で押さえながら組み立てます。 |
![]() 左右組み立てました。ヒノキ棒の接着はキツキツに突っ張らないように注意します。接着剤は中粘度瞬間を使いました。 |
![]() 胴枠を組み立てます。 |
![]() 胴体側板に下翼の受けの補強材A2を接着しました。ここで胴体側板は内外が明確になりますが、刻印が内面になるようにします。 |
![]() 上翼マウントの取り付け部の補強部品J3を取り付けます。位置決めは胴枠を仮止めして行います。胴枠は接着しないこと! |
![]() 胴枠の後縁部品A9を取り付けます。胴体の絞り形状に合わせて斜めに削りました。 |
![]() 胴枠とトレー部品を挟みこんで胴体をテープで仮組します。歪みをいろんな方向から見て確認し、OKなら瞬間を流して接着します。 |
![]() 胴体下面の枠?板も忘れずに接着します。これはヒノキ棒の補強にもなります。 |
![]() 胴体後ろにストリンガーを取り付けました。 |
![]() 胴枠に補強材A5、A7、A8を取り付けました。 |
![]() 水平尾翼の台を取り付けました。 |
![]() バッテリーハッチを組み立てました。 |
![]() バッテリーハッチを胴体に載せてみたら座りが悪いので、枠にバルサ棒1,5x2mmを接着しました。 |
![]() 考えてみればトレーもちゃんと胴枠にくっついていない(設計として)ので、補強のためバルサ棒を接着しました。 |
![]() プランク用の1mmバルサは、水で濡らして筒に巻いて乾燥させて巻き癖を付けておきます。 |
![]() 胴体に取り付けようとしたら、このままでは歪みで取り付けられませんでした。結局前後左右で分割しています。 |
![]() バッテリーハッチは素直に接着できました。 |
![]() 一番前のプランクA4を接着して上面のプランクは終わりです。 |
![]() 下翼の受け台D4を仮止めして、翼型に沿うようにサンディングします。 |
![]() 脚の受け台を組み立てます。位置は側板に刻印があるのでそこに合わせます。 |
![]() 胴体下面のプランクをしました。なお、前半部は1mmと1.5mmの2枚重ねです。 |
![]() カウルを組み立てました。カウルは軽量化のためご覧のように中は大きく開けてあります。 |
![]() カウルを胴体に両面テープで仮止めして整形します。微妙なカーブを削り出すので慎重にペーパーを当てます。 |
![]() 仕上がりはこんな感じです。実機の形はもうちょっと細いのですが、モーターの大きさでこの辺が限界です。 |
![]() 垂直尾翼を組み立てました。この後で前縁を丸く、後縁は1mmくらいの厚さまでサンディングします。 |
![]() 水平尾翼も組み立てました。同様にサンディングもします。 |
![]() 上主翼は原寸図面の上組み立てます。枠になる部品W1、W4、W5、W6を並べて接着、スパーとリブを並べて、そりに注意して接着します。 |
![]() 付け根のリブR1、R2にはかんざし受けのベニヤ部品を接着します。 |
![]() 下主翼はエルロンがあるのでちょっと面倒ですが、原寸図面の上で組み立てるのは同様です。 |
![]() 前縁と後縁を翼型に削るためにリブを養生しました。 |
![]() 上主翼の根元は大きめにR形状に削られていますので、削られた分を蓋をするようにスクラップバルサを貼りました。 |
![]() 翼型に整形しましたが写真じゃわかりづらいですね。 |
![]() 上主翼のマウントを作ります。スコヤを使って直角平衡に気を付けて組み立てました。 |
![]() プランクし、ベニヤの脚を取り付けます。これも歪みに注意が必要です。 |
![]() 下主翼の中央部を組み立てました。 |
![]() プランクして出来上がりです。まだダウエルを挿してないですね。 |
![]() 上主翼のマウントを取り付けてみました。1.4mmの小さなネジを使用しています。 |
![]() 翼の平行出し治具を使ってねじれを確認しています。治具で矯正できますが歪みがありますね。きちんと接着すれば大丈夫でしょうか? |
![]() メインギヤのピアノ線です。1mmと0.8mmを使いました。 |
![]() 2本のピアノ線を胴体に仮止めします。細い銅線でピアノ線をからげて半田付けしました。 |
![]() モーターマウントは接着しました。ねじ止めでは、ねじの先がバッテリーに刺さる心配があるためです。 |
![]() 分かりにくい写真ですが、ストラットを取り付ける部品を取り付けるための穴を作るため、リブにスクラップバルサを貼っています。 |
![]() ストラットはこんな感じで取り付けます。実際の取り付けはフィルムを貼った後になります。 |
![]() 以上で木地完です。モーターとプロペラ、脚を含む状態(写真の姿)で59gでした。あと41gで仕上がるでしょうか? |
![]() カラーデザインですが、手持ちのオラライトと相談して、定番の赤とシルバーにしました。 機体登録記号のG-ACDAはネットに沢山写真があります。 |
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![]() エルロンのリンケージ工作です。ピアノ線のトルクロッドにチューブをかぶせてロッドが接着されるのを防ぎます。 |
![]() チューブが嵌まるように溝を掘りますが、これがなかなか面倒な作業です。溝ができたらフラップ部分を接着します。 |
![]() 中央翼に取り付けようとして問題発生。かんざしとトルクロッドの両方を差し込むことができません。結局中央翼のリブを切断しました。 |
![]() エルロンサーボベッドを接着しました。2mmのスクラップバルサで浮かせています。 |
![]() 軽量化とカッコのため、スピンナーをバルサで作ることにしました。2mmバルサを積層しプラナットを埋め込んであります。 |
![]() リューターで削ればそれらしくなります。後は赤く塗装します。重さは0.4gで仕上がりましたが、アルミスピンナーは1.1gでした |
![]() フィルム貼りを始めました。まず尾翼からですが、オラライト銀の糊がどうも弱くていけません。フィルムが古いせいなのか? |
![]() 下翼も貼りました。糊が弱いため、フィルムの収縮がうまく行きません。糊がずるっとずれるせいで、収縮しても皴がなくなりません。 |
![]() 上翼を貼りました。 |
![]() 胴体はフェラーリレッドです。 |
![]() エルロンサーボを組み込みました。トルクロッドのホーンはベニヤをレーザーで切り出して作ってます。 |
![]() 風防を作りました。0.2mmプラ板を切り出し、枠としてオラライト銀色を貼っています。 |
![]() 胴体に接着しました。枠はもうちょっと太いほうが良かったかも? |
![]() ここで仮組してみると何と108.2g、しかもエレベータリンケージなしです。ここからチマチマと軽量化が始まります。 |
検討しましたがどうしても100gを切ることができません。ほとんど諦めていました。 そんな時にムサシノ模型のアンダー100gのビデオを発見。1セルで飛んでいるではありませんか! 1セルはおもちゃと思っていましたので目からうろこです。早速1セル対応のモーターとアンプを手配しました。 |
![]() 初めにアンプから。ケースをはがし、モーターのリートは取ってモーターをダイレクトにはんだ付け、サーボリードも細いものに交換。これで3gの軽量化です。 |
![]() 受信機のアンテナを8cm切って0.6gの軽量化です。 |
![]() バッテリーは2セル220mAhから1セル300mAhに変更して5.3gの軽量化です。大きいですね! |
![]() 尾翼を3mmバルサから2mmバルサで作り直して1.5gの軽量化です。 |
![]() 仮組して重さを測ってみると99.3gです。100gをクリアしました。これなら文字入れ出来そうです。 |
![]() 文字を入れて見ると99.9gです。安心のためバッテリーのリードを思いっきり短くして99.7gになりました。 |
![]() ここまで来るとさらに飾りたくなります。脚カバーと特徴的なカウルのふくらみを作りました。これで100.2gになってしまいました。 |
![]() 機体を眺めると、位置変更となった受信機のトレーが不要なので慎重に剥がしてみると、99.5gになりました。 |
![]() 以上で完成しました。 |
反省点 良かったこと (1)複葉機でもアンダー100gで作ることができました。 (2)1セルバッテリーの使いこなしを勉強できました。 (3)軽量化は努力すれば報われます。 悪かったこと (1)フィルムのしわが目立ちます。フィルムが古くて糊が劣化したためではないかと思います。 (2)エルロンのトルクロッドの設計が不十分で、手直しが生じました。 (3)機首はもう少し細くできるとスケール感が増します。 (4)上翼と下翼の平行が少しズレています。 |